今日はモチベーションの話です。
アメリカの臨床心理学者に、F(フレデリック)ハーズバーグさんという人がいました。
動機付け理論だと、マズローの欲求5段階説が有名ですが、
ハーズバーグもその分野では、有名な学者さんです。
そもそもモチベーションって目に見えない問題でもあるので、
なかなか理解するのは難しいですね。
で、ハーズバーグさんが何をしたかというと、
いろいろな企業で働いている人々にアンケート調査をしたんです。
どんな内容かというと、
仕事を通じて
1.満足した要因
2.不満足を招いた要因
この2つを調査して、その回答を分析しました。
ハーズバーグの出した結論
その分析から、ハーズバーグは、
「成長と自己実現を求める欲求」=やる気 と
「不快を回避しようとする欲求」=不満足→満足 とは
異質なものである。 という仮説を立てました。
前者を充足すればヤル気を起こすが、
後者を充足しても、不満足は解消されるが、ヤル気を起こすわけではない。
と結論付け、
前者を「動機付け要因」、後者を「衛生要因(不満足要因)」と呼ぶことにしました。
(1966, Work & the Nature of Man)
動機付け要因と衛生要因
動機付け要因は、
人々を真に動機づけて、やる気をおこさせる要因となるもの。
これが満たされると人は、満足を感じ、
更にその要因の高まりと共に満足感ややる気も高まる。
やり甲斐のある仕事、目標の達成、達成の承認などがこれに当てはまり、
いわゆる職務の充実がこれにあたるとしました。
一方、不満足要因としての衛生要因は、
この要因が満たされると、人の不満感は一時的に抑制されるが、
だからといって満足感をもたらす効果はない。
つまり、積極的な動機づけの要因とはならず、
やる気の低下を防ぐ予防衛生的役割しか持たない要因のことです。
一方、これが満たされないと積極的不満を感じ悪感情を持つ。
としています。
整理すると
衛生要因(不満足要因) | 動機付け要因(満足要因) |
① 会社の政策と管理 |
① やりがいのある仕事 |
給与の引き上げ、職場環境の改善と言ったことは衛生要因の改善で、
意欲の向上、つまり動機付けにはあまり結びつかない。
と、ハーツバーグは指摘しています。
うーん、どうなんでしょうか。
給与が上がるとやる気も高まる気もしますが・・・
それはさておき、
この理論が小集団活動などを支えた背景となっているのは言うまでもないですが、
最近は、「働き方改革」やらいろいろと企業の仕組みも変わってきており、
モチベーションの切り口を考えると、
全体的に衛生要因における不満の方が高まっているような気もしますね。
動機づけ要因の④なんて、最近の日本はほとんど当てはまらないのではとも。
まあ何にせよ、やる気が出るって良いことなので、がんばっていきましょう!