かつて、ヴォーゲル教授が「ジャパン アズ ナンバーワン」と表現したように、

日本製品やサービスの品質は戦後に急激に高まり、

世界でも注目されました。

中でも品質管理は、日本のお家芸ともいえ、

今日の日本品質は、企業がこぞってQC(Quality Control)に取り組んだ結果ともいえましょう。

今回は、その品質管理を進めるのではなく、

「乱す」「乱してしまう」ことがらについて、

10か条で取り上げてみます。

そのまま鵜呑みにしてしまっては「乱す」ほうに行ってしまいますので、

要注意です。

 

1条 作業標準は守らないこと


 仕事のやり方をいちいち標準化し、作業標準を作るなんて、
 仕事に自信がない連中のすることだ。
 俺は俺のやり方で作業をするさ「作業標準を守る?」
 そんなこと面倒くさいし、バカバカしいよ。

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2条 アクションはとらないこと


 再発防止のアクションほど面倒なものはない。
 データを採って、原因を調べて対策を打つ。
 この忙しい世の中に、そんなことやってるヤツは余程ヒマ
 なんだろうなあ。応急処置で十分さ。
 目先のことだけ考えてりゃあいいのさ。

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3条 4Sはやらないこと


 「整理・整頓・清掃・清潔」を4Sと言うんだそうだ。
 俺達は、仕事してるんだから、こんなことやる必要はない。
 好きなヤツが勝手にやればいいんだ。俺の知ったことじゃない。

 

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4条 教育や訓練はサボること


 他人から教わるなんて情けないよ。OJT(職場内訓練)とか、
 講習会なんてつまらないからサボるんだな。
 教室では徹底的に睡眠をとり、休養に努めることだ。
 また、折角覚えた技術は、仲間や後輩達に教えないでおこう。
 損しちゃうからな。

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5条 現状に問題がないと思い込むこと


 「問題は何処かにあるはずだ、問題を何とかつぶしていこう」
 なんて考えてたら、キリがないよ。
 まずは自分の所、自分のことだけ考えて、
 現在やっていることが、最もいいと信じ込もう。

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6条 仲間には協力しないこと


 しょせん人間は孤独な動物で、人の世は無情なんだ。
 仲間が困ったり、悩んでいても知らん顔をしよう。
 「あっしには関わりのないことで」が一番いいのさ。

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7条 うまく逃げ口上を言うこと


 「品質の管理が出来ていない」と文句を言われたら、
 うまく逃げ口上を言えばいいんだよ。
 例えば「仕事が忙しい」というように。
 つまらぬ責任感なんて持たないにかぎるね。

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8条 管理はツマラナイと思うこと


 現場の管理・管理水準・管理項目・管理の目的・
 管理のサイクルなどやたらに「管理」という言葉があるが、
 俺は嫌いだね。
 要は自分勝手にやりゃあいいんだよ。なまじっか管理なんて
 言うから、仕事がやりにくくなるんだよ。

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9条 フールプルーフ化はやらないこと


 フールプルーフはバカのすることさ。
 仕事は人間がするのだから、ついウッカリして間違いを起こす
 ことは避けられないものなんだ。
 それを無理してなくそうなんて神様に叱られるのがオチさ。

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10条 QC手法は勉強しないこと


 いちいちデータを採ってQC 手法で解析したり、
 管理するなんてウデのない証拠だよ。
 そんなもの知らなくったって、経験とカンさえ働かせれば十分さ。

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とまあ一通り「品質管理を乱す」悪魔のささやきでしたが、

ほんとうにこの10か条を、

そのまま会社でやってしまったら大変なことになってしまいますね・・・

皆さん、これの逆をしっかり考えて、

仕事・製品・サービスの品質を高めていってください。