新入社員フォローアップ研修のメリット
新入社員フォローアップ研修を実施すると、さまざまなメリットがありますが、代表的なメリットを紹介します。
1年間のふり返りで、成長を確認できる。
入社から現在までをふり返ることで、自身の成長度合いを確認することができます。
今後の課題が明確になる。
1年間仕事をすると、自分の得意な分野や苦手な分野なども少しずつ分かって来る頃です。今できていることは何か、できていないことは何かを整理することで、今後の課題が明確になります。
悩みの共有で、不安やストレスを軽減できる。
職場では、人間関係の問題や、業務そのものの問題など、さまざまな悩みや困りごとが発生します。辛いことを一人で抱え込まず、同期同士で悩みを共有することで、新入社員が現在抱えている不安やストレスを軽減することができます。
同期との交流はモチベーションアップにつながる。
配属後は、同期と合う機会も少なくなることがあります。入社時に一緒に学んだ同期と交流することは、活力を得ることになり、モチベーションが向上します。
新入社員フォローアップ研修の内容
フォローアップ研修の内容は多義に渡りますが、
①1年間のふり返り
②仕事の進め方の再確認
③悩みや困りごとの共有
④コミュニケーション能力向上
⑤ビジネスマナーなどの再確認
⑥レジリエンスの向上
⑦キャリア開発
などが一般的です。
自社にあったテーマで開催しましょう。またレジリエンスについては、困難に遭遇しても折れないメンタルを作るために、次のようなことを学ばせるのが良いでしょう。
・回復力 |
・抵抗力 |
・再構築力 |
新入社員時の教育費用は、企業によって違いはありますが、一般的に20~50万円/人 掛かっていると言われており、離職が増えればその人に掛けた教育のコストは無駄になってしまいます。
そういった意味でも、新入社員フォローアップの機会で、モチベーションを向上・継続させる施策はとても重要なのです。

新入社員育成のキーワード
ここからは、研修とは別に、OJTでの新入社員の育て方として、育成のベースとなるキーワードを紹介します。
- ティーチング
説明して、相手に理解させる教え方。ポイントは「相手の理解度にあわせた内容・速さで説明する」こと。また、時折「ここまでの内容を説明してみて」と相手に話をさせ、そこで十分に理解できているかどうかを確認することが大切。もし、理解に怪しい点があれば、再度説明をおこなう。(「何か質問ある?」という問いかけや、確認テストの実施なども有効)
- コーチング
相手に考えさせて、気づかせる教え方。ティーチングを多用してしまうと、自分で考えずに指示を待ってから行動するというクセがつく恐れがある。「〇〇さんはこのような場合、どうすれば良いと思う?」といった質問を投げかけ、相手に自分なりの答えを発言させていく。その際、その発言に対して承認やアドバイスといったフィードバックを行うこと。
- リーディング
実際に行動を見せて、そのあとに同じ行動をさせて指摘する方法。指摘の際には上記の「ティーチング」や「コーチング」を行う。例えば、新しい業務を任せる場合、まずはどのように進めるのかを先輩社員がやってみせて、そのあとに若手社員にやらせ、その行動についてフィードバック(振り返り)を行う。ポイントは、できていない部分の指摘だけでなく、うまくいった部分の賞賛も含めること。 -
最後に、新入社員を育てる際の大事なポイントをお伝えします。
目的を伝える 与えられた業務を「単なる作業」とするのか、「自分の成長の機会」とするのかは、自分自身の捉え方次第で異なってくる。「何をやるのか」という「目標」、「どのようにやるのか」という「手段」だけではなく、「なぜやるのか」という「目的・意義・理由」をもって業務に取り組むことで、部下の成長につなげることができる。
競争させる 3名~4名で1組になり、ある課題について各組で協力して達成し、達成したチームは次の課題に取り組む。最終的には期間内により多くの課題を達成した組が優勝となる。例えば、自社内の制度や商品知識、資格試験の内容などをテーマとし、テストを実施して合格ラインに達成すれば次の課題に進み、1名でも合格ラインに達していない場合は、もう一度同じ課題を取り組ませる。競争させる際に「連帯責任」とすることによって、やり方(学び方)を工夫するという経験もできる。
小さな成功を
積み重ねる新入社員の育成において、いきなりハードルの高い課題をやらせると、課題を達成できなかった場合に「自分はできない」というネガティブなとらえ方をしてしまいかねない。そのため、「少し努力すれば達成できる」課題を設定し、「成し遂げる」という経験をさせることが重要となる。ただし、簡単な課題ばかりだと成長スピードが遅くなるため、時にはやや高いハードルの課題を設定することが望ましい。
他人に教えさせる 学習効果において、もっとも高い効果を生み出す手法の一つが「他人に教えること」である。他人に教えるということは、自分がその内容を熟知していることが求められ、「内容が分かりづらい」「質問しても回答できない」の場合は、理解不足とも言える。ポイントは、一方的に説明をさせるのではなく、時には質問をして理解度を確かめることである。
背中を見せる 「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」という山本五十六の言葉があるが、その中に出てくる「やってみせ」は背中を見せるということも含まれる。新人や若手社員は先輩社員の行動や姿勢を見て、大きな影響を受ける。上司や先輩は常に部下の見本となり、「あこがれの人」になるように精進しなければならない。
承認する
(ほめる)仕事をしている中で大切なのは、その成長を承認(ほめる)することである。誰かに認められたということにより、承認の欲求が満たされ、モチベーションが向上する。また、組織の一員として認めることも重要で、その組織における自分自身の役割(必要性)を再確認できる。これらのことにより、自らが成長していこうという自己成長意欲が高まり、自ら積極的に学ぼうという姿勢につながる。

さて、新入社員のフォローアップというテーマで、研修から育て方のポイントまで見てきましたが、これらの他にもアプローチの仕方はたくさんありますので、自社の新入社員にはどんなやり方が合うのかを検討し、一つ一つ丁寧な施策を打っていくということが大切です。
新入社員のフォローアップや育成等でお悩みなどがありましたら、お気軽にお問い合わせください。