チームワークについて

チームワークが良いとか悪いとかよく言われますが、そもそもチームというのは何でしょう?

「チーム」という言葉自体は、よくスポーツで使われます。
その構成内容を考えてみると、まずリーダーとメンバーがいて、リーダーの意志が明確にメンバーに伝わっています
さらに、それぞれの役割分担が実に明確で合理的であり、一人ひとりはその分担に関してトレーニングされています。
しかも、1+1が3にも4にもなるという「チーム」としての力が発揮されるために、チームメンバーが自発的に活動出来るようになっています。

よき「チーム」においては、上下左右みんなの心が通い合っていて、明確に役割分担をしていますが、情勢によっては流動的、自動的に動く生き物のような組織といえます。
それぞれ異なった個性・価値観を持ちながら、一つの目標に結集して行動するのがチームであり、チームワークなのです。

「チーム」と「チームワーク」

「チーム」は、単なる人間の集まりではないし、「チームワーク」は、みんなで仲良くすることだけではありません。
メンバーの協調と、一人ひとりがお互いに競い合うという気概がなければ、「チームワーク」は育たちません。
チームは、志や目標をもった人間の集まりだから、良いチームであれば、チームのチームワークによって自然に育っていきます。


チームというのは、強制されてそうなるのではなく、自発的にみんなが全体の中における自分の役割を自覚して、それを考えつつ、それぞれの状態に応じて、各々が行動していくことです。
ややもするとチームワークは、喧嘩せずにうまくやっていくことだと誤解されやすいのですが、真のチームワークというものは、協調と競争を通してつくられた、お互いのつながりであり、単なる仲良しということではないのです。


チーム一丸となって団結し、それぞれがポジションを守りぬき、役割意識に徹して行動し、チームを勝利に導き、お互いに「勝利者」になる。
リーダーを中心として、チームが一丸となって戦いをやりぬいたとき、たとえ勝負は敗れても、なんとも言えないすがすがしさが残ります。これがチームワークの醍醐味といえるでしょう。
「みんなで考え、みんなでやって、みんなで喜ぶ」これがチームワークの勝利といえます。

 


よいチームの条件

それでは、よいチームとはどんな条件や状態を持っているのでしょうか。これを紐解いていきましょう。

どのようなチームであれ、結果を出すために行動しています。
職場の中では、どのような結果を出せていれば、よいチームと言えるのでしょうか。それには次の2つがあります。

① 能率や業績があがっている。


② 色々な意味で所属するメンバーが満足し、人間的成長が促進されている。

職場では、一般的にこの2つの結果を出せているチームが「よいチーム」であるといえますが、
この結果を得るためには、チームの一人ひとりが行動してチームワークを高めていく必要があります。

では、チームワークを高めるためにはどのようなことが必要なのでしょうか。
チームで何かに挑戦する過程において、よいチームになるための要素を見ていきましょう。

 


よい「チーム」の過程

① 目標を全員が納得している

目標に対して全員が納得していることが重要です。誰か一人でも目標に対して異論反論があれば、修正します。

② 課題に全員が真剣に取り組んでいる

課題に対して、真面目に取り組む姿勢が大切です。全員が課題をしっかり認識して、持っている情報を共有し、
課題を達成します。

③ 分担した役割は責任を持って遂行している

役割は分担するだけでなく、それぞれが持ち場の責任をもって仕事を遂行します。責任意識は役割分担から始まります。

④ 雰囲気は暖かく活気にあふれている

しかめっ面のチームでは、勢いがでません。冗談や雑談、笑いもチームワークを高める大切な要素の一つです。

⑤ お互いの持ち味を活かし合っている

長所や短所は、メンバーそれぞれ違うものです。お互いの良いところを引き出せるよう、それぞれが配慮します。

⑥ 仲間の意見を互いに傾聴し合っている

リーダーや他の目立つ誰かの意見が一方的に通るようではダメです。よいチームは傾聴力が長けていて信頼関係が強固です。

⑦ 意見の対立は回避せず克服している

例え意見が対立したからといって、回避してはよいチームビルディングができません。意見の対立を、異なる意見の持ち主
と捉え、話し合いをもちます。

⑧ 決定は満場一致の合意でなされている

何かを決定する場合は、満場一致でなければいけません。1人でも合意形成から外れると、やはりどこかで不具合を生じます。

⑨ 集団自体の維持をみんなが配慮している

お互いを尊重し、お互いを気遣うことが、チームを維持するもっとも大切な要素です。

⑩ リ-ダーシップは全員が分有している

リーダーシップは、単にリーダーがメンバーを統率するというだけではなく、ある人がある状況で、集団の目標達成に役立つ
行為をその時その時にとっていれば、その人はその時点でリーダーシップをとっているといえます。
つまり、機能的役割が発揮されている状態がよいチームです。

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よいチームの過程における10項目を挙げました。自分のチームはどこが良くてどこがまずいのかを、この10項目でチェックしてみましょう。


チームワークの3要素

ここまでのことを踏まえて、よいチームをまとめると次のようになります。

(1) 共通の目標を持っている。


(2) 共働の意欲を持っている。


(3) 共有の情報を持っている。

 

よいチームには、共通の目標があり、それぞれが同じことに向かって一緒に働く意欲を持っており、目標に到達するために必要な情報を共有して活用しているのです。


チームワークを2側面から診る

チームワークを高めるためのもう一つの切り口として、PM機能があります。

 
 ①課題達成機能=パフォーマンスファンクション=P機能

 ②集団維持機能=メンテナンスファンクション=M機能


チームには、この2つの機能がかならず備わっています。

①の課題達成機能は、課題や目標を達成する機能で、②の集団維持機能は、集団をより良い状態に維持する機能です。

どうもうちのチームはチームワークが良くないな、と感じたら、いったいどちらの機能が弱まっているのかをチェックしてみましょう。

仲は良いんだけど、士気が落ちている状態は、①の課題のレベルを上げてみる必要があるかも知れません。

課題や目標のレベルを上げることで、挑戦性が高まり、それぞれが能力を発揮するチームへ変貌する可能性があります。

 

一方で、一応の結果は出せているけど、信頼関係が高いとは言えない場合は、レクリエーション等を増やし、②の機能を高める必要があるかも知れません。「みんなで考え、みんなでやって、みんなで喜ぶ」のためには、M機能がベースになります。

 

次はタックマンモデルを紹介します。

 


チームステージを把握する

チームステージを把握する有名な方法として、タックマンモデルがあります。

チームには次の4つのステージがあると言われています。

 ①フォーミング  Forming (形成期)  
 ②ストーミング  Storming (混乱期)
 ③ノーミング   Norming (安定期)
 ④パフォーミング Performing( 成熟期)

 

生産性の面でみると、次のような状態です。

①フォーミング・・・生産性が低く、目標がはっきりしない

②ストーミング・・・チームのスキルと知識が向上し始めるので、生産性はゆっくりと上がる

③ノーミング・・・チームのスキルと知識はより向上するので生産性は向上し続ける

④パフォーミング・・・チームはとても協力して仕事を行い、求められている結果を生み出すためのスキル・知識を会得しているため、生産性は高い

 

いずれにしても、チームワークを高めるためには、チームの状態を把握することが大切です。

職場で良いチームを作り、チームワークを高める参考になれば幸いです。
 

 


チームワークを高める、チームビルディングの研修公開コースをお探しの方は、下記もご参考ください。

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