小集団活動のリーダーになったら。

皆さんは小集団活動のリーダーに任命されたら、どのように感じるでしょうか。

「グループをうまくまとめられるかな」「自分がリーダーをやるなんて無理」「あんまり乗り気がしないな」「やりたくないなぁ」など、
どちらかというと、不安やネガティブになる人の方が多いかも知れません。

でも、その気持ちは、はじめて取り組むことに対しては誰しも感じることなので、心配はいりません。

小集団活動は、自分たちの困っていることや、普段こうすればもっと良いのに、
と思っていることや感じていることを、より良い形に改善するための職場活動です。

みんなで考え、みんなで知恵を出し、おもしろい活動に創意工夫することがリーダーの役割でもあります。

「自信は後からついてくる」と思って、どんと構えて、せっかくの機会にチャレンジしてみることが、
自分の成長に必ず繋がります。

今回の特集で、小集団活動のリーダーの役割を再度確認していきましょう。

 

小集団活動リーダーと職場リーダーの違い。

小集団活動のリーダーと職場リーダー(たとえば、管理・監督者などのリーダー)には、決定的な大きな違いがあります。

それは何だと思いますか?

答えは、「力」を持っているか持っていないかです。

「力」というのは、権力や権限のことで、職場リーダーが権限を持っている(つまり指示・命令できる)のに対して、
小集団活動のリーダーは、メンバーに対して、そういった権限や力を持っていません。

時と場合によっては、自分より何年も先輩のベテランをメンバーにして、
自分が活動をひっぱっていかなければならない時もあります。

これは、どういうことかと言うと、人をまとめ・人を動かす上で、
小集団活動のリーダーの方が、職場リーダーより難しい立場にあるということです。

なぜなら、権限や権力で人を動かせませんから、メンバーに動いてもらうために、
いろいろな工夫をしなければなりません。

だからこそ、この活動でリーダーをしっかりやることができれば、鬼に金棒のリーダーになれるのです。

 

自身の成長のためにと思って取り組むか、やれやれ面倒くさいと思って取り組むか。

「力」のない小集団活動リーダーの難しさは、先に述べました。

難しいということは、どこかで壁にぶち当たったり、思いっきり悩んだり、不安になったり、といろいろな障害に突き当たります。
これは、人をまとめ動かす時には、どうやっても避けることができないため、自分でうまくいく方法を考えて乗り越えるしかありません。

しかし、こういった体験こそが、人間を成長させ、その人の幅を広げることは、今までの先達も証明してきました。

つまり、「あの人は、人のまとめ方がうまいなぁ」「あの人はリーダーシップがあるなぁ」と、あなたが感じている人も、
はじめからそういったことができる素質を持った人は珍しく、
実際には過去の壁にぶち当たり、悩み、それを越えてきた経験があることがほとんどなのです。

自分の成長と思って小集団活動に取り組むか、ヤレと言われたから仕方なくやるかで、その後の経験の度合いが変わり、
成長という意味での幅も変わってきます。

せっかく与えられたチャンスを無駄にしてはもったいないと思います。

リーダーになったら、自分の経験の為にと思って活動することをおすすめします。
 

自主管理はマネジメントの練習。

小集団活動は自主管理活動です。
グループのメンバーと一緒に、自主的な働きかけや話し合いで運営し、自分たちの判断で行動しなければなりません。

すべてのことが、グループに任されています。(もちろん、支援者や関係部門の許可をとったりしなければならないことはあります)

これは、リーダーを中心に、メンバーをまとめ動かして行動していくプロセスという意味において、
マネジメントの練習をしている環境と捉えることもできます。

つまり、「力」を背景にしていないマネジメントの練習を皆さんで実践しているのです。

こう考えると、何だかすごいことをしているんだな、と思えてきませんか?

「力」が無い中で、皆が納得のいく良い活動ができたら、
実際に「力」を持った時(上司の立場になった時)のその人の人間の幅は、まさに大海のように広く、

素晴らしい人間力を持った人になっていることでしょう。

 

小集団活動リーダーの役割。

さて、そろそろ本題の小集団リーダーの役割についての話を進めていきます。

リーダーの果たすべき役割は大変大きいのですが、その役割は主に次の通りです。

1.グループ・サークルをまとめること。

2.グループ・サークルの方向づけをすること。

3.コミュニケーションを良くすること。

4.管理技術(Q7、N7)、問題解決の力を身につけること。

5.支援者や他グループ・サークルとの調整をすること。

 

具体的には次のような項目になります。

1.目標達成のために、自ら行動力を発揮してメンバーをリードし、みんなの能力を発揮させる。

2.活動の進め方の方針やルールを決め、メンバーの心を一つにさせて推進する。

3.全員の役割分担と協力でよい人間関係をつくりながら、計画に沿って実施する。

4.会合を計画し、全員出席、全員発言による楽しい運営をする。

5.会合や活動過程を記録担当者と共にまとめ、活動報告書を作成する。

6.常に問題意識を持ち、メンバーに働きかけて、なぜやるのか、どのようにやるのかの勉強をみんなで実施する。

7.活動の状況をよく把握し、悩みや問題点を第一線支援者に相談したり、リーダー会で検討する。

 

これらを踏まえて、自分がリーダーになったら積極的に活動してみましょう。

活動する中で出てくる悩みと問題。

小集団活動のリーダーは、活動中にやる事がたくさんあって、確かにいろいろと難しいと思いますが、
その中でも最も多い悩みと問題は、次に挙げるものです。

【グループ運営面】

・活動時間が取れない

・メンバーのやる気がない

・会合で発言してくれない

 

【問題解決の側面】

・活動テーマが決まらない もしくは やりがいのあるテーマが見つからない

・進め方がよくわからない

・手法を使いこなせない

これらをがんばって突破しないことには、活動はなかなか活発にはなりません。

 

つまり、グループ運営の側面では、「より良いグループづくりとチームワーク」を作り上げる必要があり、

問題解決の側面では、「活動の進め方の具体的な方法」を身につける必要があります。

また、がんばってきた活動をしっかりとふり返り、
次につなげるための、改善点や課題を発見して、レベルアップしていくことも大切です。

 

自力で勉強しながら活動を実施して、実際の活動経験を通じて身につけていくことももちろんできますが、
短い期間である一定の知識量とスキルを身につけるのには、時に専門の講習会を受講することも近道になります。

2024年度は、小集団リーダーの能力を総合的に開発する小集団リーダー育成コースを企画・開催します。

具体的にリーダーに求められる考え方やスキルが、しっかりと身につく6日間の研修コースです。
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必要な知識とスキルを身につけて、自分たちの活動を、より良い活動にしていきましょう!