自立型人材の重要性

コラム

自立型人材の重要性・必要性については、昔から耳にタコができるほど言われて来ました。

最近では「キャリア自律」や「自律型人材」という言葉も使われており、
「自立」と「自律」は正確な意味においては違いがあるのですが、
今回は、昔から使われている「自立型人材」という言葉を使って、その必要性について改めて考えていきます。

まず言葉のズレがあるといけないので、ここで使う「自立型人材」のイメージを明確にしておきます。

自立型人材=自分で考え、自分で行動し、上司や周囲に頼らずに自分で仕事を進めることができる人材

としておきます。

この定義から見ていくと、自分が自立型人材かどうかは、
「何でも上司や周囲に頼る」ことを常日頃からしているかどうかですぐに分かります。

「あ、私当てはまるな」って人は自立型人材とは言えません笑

新入社員は一人前の仕事が出来るようになるまでに時間がかかるため、上司に寄りかかるのは仕方ないにしても、3年ぐらい仕事を経験したら、ある程度は自立型人材になっていないと上司も困ると思います。

というのも、昔と違ってマネジメントだけをしている管理職は今は少なく、
現代はプレイングマネージャーがほとんどだからです。

なので、いちいち細かい所まで上司として指導する時間はありません。
(そもそもそれ=プレイングマネージャー制がマネジメントのやり方としては間違っているのかも知れませんが・・)
だから、組織の中では、自分で考え、自分で判断し、自分で行動し、仕事を前に進めてくれる
自立型人材が重要になります。

自立型人材が不足すると職場に起きる現象

自分で考えない、自分で判断しない、自分で行動しない、
上司や周囲に頼ってばかりの人が増えてしまい、これと相反する自立型人材が不足すると
どのような現象が起きるのか?

これは筆者の経験則も踏まえてなので、一概にどの組織にも当てはまるとは言えませんが、
最も大きな弊害は、分かる人・できる人(そういう人はだいたい自立型人材)に
本来業務以外の仕事や周辺業務が集中しすぎてしまうこと
だと思います。

特に、自分で考えない人は、すぐに「分かる人や出来る人」に聞いて、その人の時間を奪います。
聞いている人の時間を奪っている意識はほとんど持っていません。
自分の困りごとが解決できれば良いのです。

上司や周囲に相談することは報・連・相が重要な通り、大切なのは大切なのですが、
しかしながら頻度が多すぎると、分かる人や出来る人の立場からは、あなたの為に時間を割いているおかげで
自分の仕事が滞るということが往々にしてあります。

こういう依存型の人の特徴は、①自分で調べない ②人に聞けば分かるから覚えようとしない 
③覚えないから同じ質問を何度もしてくる
 という傾向が見て取れます。

これは、分かる人やできる人の立場から見たら「そろそろ覚えてよ」「また同じこと聞くの?」
と思ってしまうのが当たり前でしょう。

だから、一人ひとりが自分で考え、判断・行動できる「自立型人材」であることが重要なのです。

自立型人材が不足する原因

次に、自立型人材が不足する原因を考えてみます。

ひとつは昔から言われている「トップダウン」が強すぎる場合です。

上司が常に正しく、自分の意見を部下に押し通す組織の場合、トップダウン色が強くなり、
部下や周りの人間は依存型になっていくと言われています。

もうひとつは、できる人・要領の良い人にしか、仕事を振らない環境を作ってしまうことです。

できる人に頼めば、仕事は早いし、結果も出やすいから、
分かる人や出来る人に頼む傾向はどの組織にもあると思います。

しかし、これは実は、今は上手くその仕事ができない人の成長の機会を奪っていることになります。
「立場が人をつくる」という言葉がありますが、まさにこの言葉の通りで、
できる人だけに仕事を振っていると、できない(と思われている)人はその仕事にチャレンジする機会がなく、
いつまでたってもできるようにはなりません。

こうなると、実はやってみたらできることなのに、できる人へ仕事の属人化がはじまり、
そのできる人を頼る人がどんどん増え、自立型人材が不足していくことになります。

これを防ぐためには、
①組織にボトムアップの機能に用意する(小集団活動など)
②上司は「この人にはできない」と判断していても、一度やらせてみて責任は自分で取る

こういったことをできる組織が、自立型人材を育み、
最終的には組織を活性化していくことにつながるのではないかと思いますが、
皆さんはどう思われますか。

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