新入社員が「指示待ち社員」になる理由

コラム

4月には新入社員が入ってくる企業も多いと思いますが、その受け入れ準備はできていますか。
今回は、その受け入れ準備のポイントの1つについて解説します。

よく「最近の新人は指示待ちが多い」という話を耳にします。
言われたことはやるけれども、言われないとやらない。
では、なぜ「指示待ち社員」になってしまうのでしょうか。
その理由はいくつか考えられます。

1、全体の仕事の流れが見えず、自分が何をやれば良いのかが見えない
2、失敗することが嫌なので、指示された仕事をすれば安全だと考えている
3、自ら指示を仰ごうと思っていても、周囲が忙しそうで聞けない
など・・・。

いくつかの理由が考えられますが、大きな原因として「自分で仕事の時間をコントロールする習慣ができていないこと」ではないでしょうか。

まず、新入社員が今までの学校生活でどのような行動をしていたのかをイメージしてください。

学校では「時間割(カリキュラム)」が与えられています。
生徒はその与えられた時間と内容で行動しているにすぎません。
つまり、自分で時間をコントロールすることを実践していないのです。
(学校がコントロールしており、学生はそれ(指示)に従うだけ)

一方、会社ではどうでしょうか。
与えられるのは時間割ではなく、「就業時間」という「枠(わく)」だけです。
そこで、いきなり時間をコントロールしろ、と言われても、難しいもの。
しかも、どんな仕事をするのか、その仕事にどのくらい時間がかかるのか。
これらを知らないで自分で仕事の時間をコントロールすることは容易ではありません。

つまり、新人は「指示待ち」を「したくて」しているわけではなく、
経験がないために「コントロールできない」可能性が高いのです。
この大前提を、人事担当者や現場の所属長・上司・先輩はまず知っておくことが大切です。

そして、時間のコントロール方法を教えるキーマンは現場の上司や先輩です。
時間のコントロールを教えずにその役割を無視して「新人が指示待ちで・・・」
と言うのは、いかがなものでしょうか。

もちろん、わからなければ先輩や上司に聞く・質問するということは
新人が積極的にやるべきです。ですが、それに対し適切な回答をせずに
「自分で考えろ!」と突き放しては、指示待ちが解消されないでしょう。

経験を積むことによって人は時間の使い方を意識し、仕事を含めた時間のコントロールができるようになります。

朝、出社して「今日は何やろうかなあ」と考える。
これも立派な時間のコントロール、タイムマネジメントです。

このコラムを読んでいる皆様も今は上記のように自然と「今週の予定」や「今日やるべきことは何か」などを考えて仕事に取り掛かるでしょう。では、それが入社してすぐにできたでしょうか。
おそらく、経験による成長によって、いつの間にか身についたものなのではないでしょうか。

当然、新入社員にはなるべく早く自分で時間のコントロールを自ら行い積極的に仕事に取り組むことが求められます。
だからこそ、研修でタイムマネジメントを学ぶことも大切なのですが、OJT(現場での指導・育成)にて時間の使い方を上司・先輩が教えていくというスタンスが重要となるのです。

参考までに、上司・先輩から新入社員に以下のような言葉を投げかけてみてください。

・「今日(今週)の予定を教えてくれる?」(目標の確認)
・「今の状況を教えて」(進捗の確認)
・「お、いいじゃない。やってみてどうだった?わからないところはある?」(結果の確認)
・「時間がかかったね。何が原因だと思う?」
・「早かったね。でも、間違いが多いなぁ。まずは正確にやろう。」
・「今日一日の時間の使い方はどうだった?」
・「手が開いているみたいだけど、何かやれることはないかな?」

新入社員の指示待ちになってしまう理由は様々だとは思いますが、「まだ時間のコントロールのやり方を知らない」人が大半だと思います。社会人として新入社員に教えることはたくさんありますが、この「時間のコントロール」を教えることによって、指示待ちが減少するのではないでしょうか。

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